京都大学文学部の講師は、神戸で数多くの建物の「補強・修繕」を手がけた。講師は、一般向けの『地震とマンション』(共著。ちくま新書)で耐震補強の基本をこう記している。「まず形状、規模など全く同じ条件で、十分な耐震強度を待った建物を再設計してみるとよい。あるいは『耐震診断』といって、現状建物の耐震強度を計算で評価してみる方法もある。そしてこれと現況の建物とを比べてみることによって、どこにどの程度の補強が必要かが明らかになる。
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後は、共有部分を中心に、なるべく大きな工事にならないように、最も有利な構法を技術的に検討していくのである」講師は同著で多様な補強事例を示している。地下に打った杭の損傷が激しく、傾いてしまったマンションでは、油圧式の「ジャッキアップ」で建物をいったん持ち上げて起こし、損傷部分を切り収って修復している。「ジャッキアップは、ほとんどの場合、一日で終了する」という。地中の枕と基礎が補強されてから、ジャッキを抜き取る。このマンションでは地盤も液状化しており、地盤改良と補助杭、さらには「基礎杭のまわりを地中壁で取り込む」手段まで使っている。地震国ニッポンでは、われわれが知らないところで耐震補強技術が急速に進歩している。