ちょっと珍しいケースですけど、「自分の土地に文化財が埋まっていて、工事が中止になった」ということもありました。契約もすんで、ハウスメーカーも決まって、いよいよ工事っていうときに、弥生時代の土器が出てきちゃったんです。建築許可は下りませんから工事は中断。こういう場合、埋蔵物の発掘調査が優先されるんですけど、これがけっこう時間もお金もかかるんです。そのときは、物件があった場所が「文化財包蔵地」に指定されていたので、仲介業者の調査不足、ということで契約は白紙、買い主かそこまでに負担した費用も賠償しました。
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文化財包蔵地というのは、「文化財埋蔵物がありそうな場所を、あらかじめ教育委員会が指定して公表している場所」のこと。事前にそれを見ておけば簡単にすむんですけど、接道状況だの給排水だの、せっぱつまってマズそうなことから優先して調べちゃうんで、後回しにして、そのまま忘れる業者もたくさんいます。「たとえば東京都内だったら、一般の住居を建てる際には、文化財が出土した場合、教育委員会に照会する」つていう手順が決まっているんですけど、他の市町村だと大規模開発の場合のみ届け出ることになっていて、普通の家を建てるだけだったら義務付けられてないんです。ですから、ほとんどの建築業者は、不動産業者と話し合って、貝塚が出ようが、縄文式土器が出ようが、「なかったこと」にして埋め立ててしまいます。このパターンがいちばん多い。調査費用は本来なら、売り主側か負担するもので、200坪くらいの農地を売った方の例で、やっぱり土器がざくざく出てきたことがありました。届けなければ法律違反になります。「費用が4ヵ月分、1200万円かかった」つていう噂を聞いたことがありますので、こうしたことも、きちんとした届け出をしにくい大きな要因です。競売でいい土地が安く手に入るり‥シロウトさんには、無理、無理!