古民家での暮らし方の一例

2011.12.23

人様のお宅を訪ねると、無意識のうちにその一家の日常生活を想像してしまうのだ。ところが、彼らの家には生活臭がまるでない。この夫婦はいったいどこで寝ているのだろう。どこで歯を磨き、服を着替え、どこで洗濯するのだろう。日常生活に必要な雑多なモノどもは、いったいどこに置いてあるのだろう。そういえば、この部屋にはエアコンもない。冷暖房はどうしているのだろう。帰り際に思い切って尋ねてみた。すると、驚くではないか。

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じつは茅葺屋根の家の裏にプレハブの小さな家を建て、ふだんはそちらで暮らしているという。その家にはエアコンもついているし、システムキッチンもシステムバスもあるし、洗濯機も電子レンジもコンピュータも置いてある。ようやく合点が行った。囲炉裏のある古民家は、お二人ならではのこだわりの社交場だったのである。古民家を移築したときから、彼らはその家を「終の棲家」とは考えていなかった。賢い判断である。